2023/09/12

派遣契約を更新をしない場合はどうしたらいい?理由別の伝え方や注意点

派遣契約を更新をしない場合はどうしたらいい?理由別の伝え方や注意点

派遣社員の多くは契約期間が決まっており、その都度で「契約を更新するか、しないか」を決める必要があります。自動更新は禁じられており、そのまま契約満了とすることももちろん可能です。

しかし、更新しない場合にその旨を伝えるのが難しいと感じる方も多いでしょう。伝える時期・伝え方によっては派遣会社(派遣元企業)や派遣先企業とのあいだに気まずさが残りかねないため、最低限の配慮が必要です。

本記事では、派遣を契約更新しない理由の伝え方や注意点をお伝えします。

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派遣契約を更新しない場合はいつまでに言うべき?


派遣を契約更新しない場合、その意向はいつまでに伝えれば良いのでしょうか。契約更新の可否を伝える適切なタイミングを解説します。

意思確認を受けた際にその旨を伝える

派遣契約の場合、派遣元企業と派遣社員が結んだ契約の自動更新は法律で禁じられています。そのため、契約の更新時には必ず派遣会社から更新を行うかどうかの意思が確認されます。

契約更新の意思確認がされるタイミングは、満了日の30日前が一般的です。次の契約を更新しないと決めている場合は、契約更新の意思確認を受けた際にその旨を伝えてください。

最低でも1ヵ月前に伝えると安心

契約更新しない旨は、遅くとも1ヵ月前には派遣会社に伝えておくと安心です。派遣会社からの契約更新の確認は満了日の30日前に受けるのが一般的ですが、ときにはそれより時間が経ってから意思確認を受けるケースもあります。

満了日ぎりぎりに契約更新をしない旨を伝えると、派遣先企業は次の担当者を探したり引き継ぎ業務を行ったりする時間に追われ、迷惑をかけることになるでしょう。社会人としてのマナーを守るためにも、満了日の1ヵ月前には伝えたほうが望ましいといえます。

派遣の契約更新をしない理由別の伝え方

派遣の契約更新をしない旨を伝える際に、派遣会社の担当者に理由を聞かれる場合もあります。家庭の事情や人間関係、派遣先とのトラブルなど人によって理由はさまざまですが、ネガティブな印象を残さないよう伝え方に留意しましょう。

ここでは契約を更新しない理由別の伝え方を紹介します。

個人や家庭の事情による場合

個人や家庭の事情による理由は、以下のようなものが挙げられます。

  • 親の介護
  • 自身の持病の悪化、治療
  • パートナーの転勤による引っ越し など

介護や治療、引っ越しでやむを得ず転職をする場合など、個人や家庭の事情はネガティブな理由ではないため素直に伝えて良いでしょう。ただし、なかには病気のことなど伝えにくい場合もあります。無理に話す必要はなく、「一身上の都合により」「家庭の都合のため」などと伝えても問題ありません。

ただし、状況が落ち着き次第にまた同じ企業で働きたいと考えているのであれば、理由を明確に伝えるのが無難です。理由がわからないと、次の派遣先を紹介する際に「今回も理由もなく辞めてしまうのでは」と不信感を持たれてしまう可能性があります。

また、体調や事情を考慮した派遣先を紹介してくれるなど、希望する職場が見つかりやすいといったメリットもあります。答えられる範囲で理由を伝えたほうが信頼につながり、次に働く際に希望する職場が見つかりやすいでしょう。

個人の都合による場合

個人の都合で契約更新が難しい理由として、以下のようなものが考えられます。

  • 業務内容が合わない
  • 給与に不満がある
  • 職場の雰囲気が合わない など

業務内容や給与面などはあくまで個人的な理由であり、そのまま伝えてしまうとネガティブに捉えられてしまう可能性があります。そのため個人の価値観に左右される理由の場合は、できるだけポジティブな言葉に変換して伝えるのがおすすめです。

業務内容への不満が理由であれば、まず「なぜその仕事が自分に合わないか」を考えてみましょう。理由を考えた結果「臨機応変に対応するのが苦手」だと気付いたとします。この場合は「一つの物事を深く考えたり、集中したりすることが得意だと気付いたため、この長所を活かせる職場で働きたい」のように転換が可能です。

一見ネガティブな理由であっても、このように少し表現を変えるだけで積極的な姿勢をアピールできます。

派遣先に関する内容の場合

派遣先に関する内容としては、以下のような理由が挙げられます。

  • 労働条件が労働契約と異なる
  • 上司からパワハラを受けている
  • 同僚や先輩からいじめを受けている など

待遇やパワハラなどが理由の場合は、隠さず正直に派遣会社へ伝えることが大切です。これらは派遣先企業が改善すべき問題点であるため、見過ごされないためにもきちんと伝達しておく必要があります。ただし、情報が正確に伝わるよう感情的にならず、冷静に状況を説明するように心がけましょう。

なお、上記3つのような理由で更新しない場合は、更新期間満了を待たずに辞めることが可能です。もし不遇な就業環境を我慢して更新を待っているようであれば、心身を守るためにも退職を視野に入れてみてください。

派遣契約を更新しない場合の注意点


円満に派遣契約を終わらせるためには、以下の2点を心に留めておきましょう。

  • 派遣先に伝えるのは派遣会社の許可を得てから
  • 更新しない理由は嘘を伝えない

ここからは派遣の契約更新をしない場合に注意すべきポイントを解説します。

派遣先に伝えるのは派遣会社の許可を得てから

意思確認を受ける前に、契約更新をしないことを自分から話す場合には、第一に派遣会社の担当者へ伝えましょう。派遣社員と雇用契約を結んでいるのは、派遣先企業ではなく派遣会社です。このため派遣会社よりも先に派遣先企業へ伝えてしまうと、思わぬ混乱を招いてしまう恐れがあります。

また、派遣先企業の同僚や先輩など、親しい関係の社員にはつい話したくなりますが、トラブルを防ぐためにも派遣会社の許可を得てからにしましょう。

更新しない理由は嘘を伝えない

派遣会社に契約を更新しない理由を伝えることは必須ではないものの、回答を求められた際には、答えられる範囲で正確な内容を話すのがベターです。万が一嘘の理由を話してしまうと、希望する働き方ができなくなったり社会的な信頼性が損なわれたりする恐れがあるためです。

例えば、仕事内容が合わないことを理由に契約を更新しない場合に、嘘をついて「親の介護により」などと説明したとしましょう。その結果、嘘に合わせた勤務時間や勤務日数などで仕事を選ばなければいけなくなります。

更新しない理由を明確に答えることで、それをふまえた働きやすい派遣先とマッチできるかもしれません。また、更新終了とともに派遣会社を退職する場合でも、円満に終われるように嘘だけはつかないようにしましょう。

派遣の契約更新をしないことに関するよくある質問

派遣社員として働くうえで、契約更新に関して気になる疑問とその回答をまとめました。更新すべきか悩んだときのヒントとしてお役立てください。

初回更新しなくても大丈夫?

派遣の更新時に「初回だけど更新しなくても大丈夫?」という声も多いですが、先述したとおり1ヵ月前に派遣会社に伝えれば問題ありません。ただし、事前に長期の見込みで紹介されていた場合は、初回で更新しないことに、派遣会社も派遣先企業も戸惑ってしまう可能性はあります。

そのため、初回で更新しない場合は「派遣の契約更新をしない理由別の伝え方」で紹介したように理由をきちんと伝えることが大事です。理由さえ把握できれば、派遣会社もより適した仕事を紹介しやすくなります。

派遣社員としての今後の働き方や働く場所が左右される可能性もあるため、派遣会社の担当者には可能な限り事情を話すようにしましょう。

派遣契約を更新しない場合は自己都合?会社都合?

派遣の契約更新をしない場合、それが自己都合か会社都合なのかによって失業保険の給付開始日や給付日数が異なります。このため、更新しない理由がどちらに該当するのか気になる方も多いのではないでしょうか。

更新をしない理由が自己都合と会社都合のどちらに該当するのか、以下で解説します。

自己都合になる場合

「派遣先の仕事が合わなかった」「職場の雰囲気に馴染めなかった」などの個人的な理由で更新せずに、かつ派遣先会社から次の派遣先の提案や紹介を受けたにも関わらず希望に合わない等の理由で断ってしまった場合は、自己都合として扱われます。

会社都合になる場合

別の派遣先で就業する意思があり、その意思を派遣元に伝えていたにも関わらず、派遣会社から契約満了までに次の就業先の紹介や提案を一度も受けなかった場合は会社都合に当てはまります。つまり、これまで勤めた派遣先の契約更新を行わない判断をしても、別の派遣先への就業意思を期間満了の一ヵ月前等、余裕をもって派遣元に伝えていた場合(自分に全く落ち度がない場合)、契約満了までに紹介や次職への提案を受けていなければ会社都合になると覚えておきましょう。
退職の自己都合・会社都合は、会社側と言った言わないでトラブルに繋がりやすい部分です。口頭ではなくメールなど記録が残る形で「次のお仕事の希望は~~です。契約終了前にお仕事を紹介してください」と余裕をもって伝えるようにしましょう。

◎ 派遣元事業主が、派遣労働者に対して喪失手続 雇用契約期間が満了するまでに次の派遣就業を指示しない場合には、派遣労働者が同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業を希望する場合を除き、雇用契約期間満了時に被保険者資格を喪失するとの取扱いとなります。

派遣労働者の方に関する雇用保険の被保険者資格の取得・喪失手続が変わります|厚生労働省

派遣を契約満了で更新しない場合について|まとめ

派遣社員と派遣先企業、双方の合意なしで契約を自動更新することはできません。満了日を迎えるにあたっては自身が派遣契約の更新・満了を選ぶ必要があり、どちらを選ぶのも派遣社員の自由です。

しかし、契約更新しない旨を伝える時期や伝え方が適切ではないと、人間関係のわだかまりが残るなど、トラブルの原因になってしまう恐れがあります。円満に契約を終えるには、派遣会社の担当者に、満了日の1ヵ月前にはその意向と理由を伝えることが大切です。

派遣の契約を更新するか悩んだり、新たな仕事探しに迷ったりしたときは、ワークスタッフにご相談ください。ワークスタッフは優良派遣事業者認定を受けており、一人ひとりに合わせた派遣先を見つけるサポート体制が整っています。

自分にぴったりの仕事をお探しの方は、Webや電話からお気軽にエントリーしてみてください。

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この記事を書いた人

ワークスタッフ コラム制作チーム

人材派遣業務を展開しているワークスタッフのコラム制作チームです。人材派遣に関連した情報をコラムを通じてお届けします。平成10年から携わってきた労働者派遣に関する情報を、当社の経験を踏まえて正しくわかりやすくお伝えします。