2023/05/10

派遣とは何かをわかりやすく解説!業務内容・採用までの流れも詳しく解説!

派遣とは何かをわかりやすく解説!業務内容・採用までの流れも詳しく解説!

派遣とは、雇用契約を結んだ企業とは別の派遣先企業(派遣先)で就業する働き方のことを言います。就業時間や勤務地の選択肢が多く、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方ができるというメリットがあります。

本記事では、派遣の3つの働き方や業務内容、派遣として働くまでの流れなどを紹介します。

また、待遇や産休・育休の取得といった、派遣に関してよくある疑問についてもまとめました。派遣という働き方に興味のある方はぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 派遣とはどんな働き方なのか
  • 派遣で働くメリット・デメリットや具体的な業務内容
  • 派遣社員として採用されるまでの流れ

派遣とは?

派遣とは、雇用契約を結んだ企業(派遣元)ではなく、そこで紹介された別の企業で業務に従事する働き方を指します。雇用契約自体は派遣元の企業と交わすため、社会保険の加入や給料の支給は派遣元の規定に沿って行われることが特徴です。

一方で、業務の指示や実際の仕事は派遣先の企業で受けます。

このように、雇用契約を結ぶ企業と実際に働く企業が異なることが、正社員や契約社員と最も違うポイントです。

派遣の3つの働き方

派遣の働き方は大きく分けて3つあります。

  • 有期雇用派遣(登録型派遣)
  • 無期雇用派遣(常用型派遣)
  • 紹介予定派遣

それぞれの働き方の特徴を簡単に見てみましょう。

登録型派遣(有期雇用派遣)

登録型派遣(有期雇用派遣)の仕組み

登録型派遣(有期雇用派遣)は、派遣先で働く期間中のみ派遣会社と雇用契約を結ぶ働き方です。一般的に派遣というと、この雇用形態を指すケースが多いでしょう。

登録型派遣の特徴は、事前に働く期間が設定されているため、派遣先での就業が終われば派遣会社との雇用契約が切れるという点です。働く期間は契約によって異なりますが、3ヵ月や6ヵ月ごとに契約更新日が設けられていて、その都度契約をする形となります。

原則同じ派遣先では3年以上働くことができないものの、部署が変わる場合はさらに3年を限度に勤務が可能です。なお60歳以上の人や無期雇用契約では、期間の制限なく働くことができます。

常用型派遣(無期雇用派遣)

常用型派遣(無期雇用派遣)の仕組み
登録型派遣と違って、期間の定めなく派遣元に雇用され、派遣先で就業することを常用型派遣(無期雇用派遣)と言います。

給料や福利厚生といった待遇面においても、正社員と同じような扱いを受けられる点が特徴です。登録派遣の3年の期間制限ルールもないため、長期的に安定した就業ができるでしょう。

なお、最初から常用型派遣で働くケースだけでなく、始めは登録型派遣で就業し、途中から常用型派遣に切り替えるケースもあります。

紹介予定派遣

紹介予定派遣の仕組み
紹介予定派遣とは、派遣先企業での直接雇用を前提とした派遣です。派遣期間終了後に、派遣先企業と派遣会社の双方が同意したうえで、派遣先企業との直接雇用に契約が切り替わります。

派遣スタッフとして働ける期間は最長で6ヵ月あるため、お互い見極めがしやすくミスマッチが起こりにくいのがメリットです。

紹介予定派遣は期間終了後の雇用を前提としているため、事前の面接や書類選考を行うケースも少なくありません。なお、派遣先企業で直接雇用に至らなかった場合、別の派遣先で働くことも可能です。

以上、三つの代表的な派遣の働き方について解説しましたが、派遣とアルバイトの違いとしては、給与の支払いや保険などの手続きに関しても違いがあります。派遣社員は派遣会社が行い、アルバイトの場合は働いている企業が行う点です。

さらに社会保険の加入条件も両者で違いがあります。

派遣の場合は、以下条件をすべて満たす場合に加入となります。

  • 一週間の所定労働時間が20時間以上
  • 契約期間が2ヵ月以上の場合(2ヶ月を超える雇用が見込まれる)
  • 賃金月額88,000円以上
  • 昼間学生ではない

※2ヵ月以内に契約更新があった場合、最初の契約期間最終日の翌日から加入となります。

社会保険の加入にはまず「社会保険適用事業所」であるという前提があります。派遣会社の場合、規模の大きさに違いはあれど社会保険適用事業所です。

アルバイトの場合、アルバイト先が社会保険加入要件を満たさない場合は社会保険加入となりません。アルバイト先が適用事業所の場合は社会保険加入要件を満たせば加入となります。

派遣で働くメリット・デメリット

派遣で働くことには、以下のようなメリットがあります。

  • ライフスタイルに合わせて働ける
  • さまざまな職場で働けるためスキルや経験を積める
  • 業務内容や人間関係の不安を派遣会社に相談できる

勤務時間や勤務地など、自分の希望する条件で働きやすい点が派遣の大きなメリットです。また、正社員での入社は難しい業界・企業も、派遣での求人は充実していることがあります。経験の有無を問わない求人も多いため、理想の環境で経験を積むことが可能です。

派遣先に対して不安や不満があるときに、派遣会社が相談に乗ってくれるのもメリットに挙げられます。派遣先とのパイプ役として、スタッフが働きやすい環境作りのサポートをしてくれるでしょう。

ただし、上記のようなメリットがある一方で、派遣という働き方にはデメリットもあります。

  • ボーナスの支給をしていない派遣会社が多い
  • 派遣会社によって待遇に差がある
  • 3つめの項目

派遣の場合、ボーナスについては支給されないケースがほとんどです。また「同一労働同一賃金」の導入により正社員との待遇差は緩和されてきていますが、派遣会社によってその条件は異なることに注意しましょう。

派遣社員の業務内容

派遣社員の業務内容は、派遣先によって大きく異なります。

令和3年度における、派遣労働者の業務別割合の上位TOP3は以下の並びとなりました。

1. 一般事務従事者:21.6%

2. 製造・加工処理従事者:15.3%

3. 情報処理・通信技術者:9.3%

参考資料:労働者派遣事業の令和3年6月1日現在の状況(速報)|厚生労働省

男性は製造関連、女性は一般事務職を担当することが多い傾向にあります。

なお、契約書に記載されていない業務については、依頼されても断る権利があります。このことから事前に業務の範囲が定まっていることも派遣の特徴です。

派遣社員に採用されるまでの流れ

派遣社員として採用される流れとしては、求人サイトで派遣の仕事を探すことになります。なかには、「仕事の紹介・応募」のフローの前に登録会を行うところもあるようです。

求人サイトからの派遣社員採用の流れ

職場の見学は必須ではなく、ほとんどが任意です。担当者からの提案や自分から希望することで実施されるため、希望する方はあらかじめ確認しておくことをおすすめします。働くうえでの不安や悩みがあれば、仕事に応募する際に伝えておくと良いでしょう。

いずれの場合も応募や登録から始まるため、気になる仕事がある場合は一度派遣会社に問い合わせてみましょう。

派遣に関してよくある質問

派遣社員は待遇に不安がある、年齢制限がないのか気になるなど、派遣として働くにあたってよくある疑問をまとめました。

派遣社員の待遇はどんな感じ?

派遣社員の待遇を不安に感じる方もいますが、実際には2020年4月1日の法改正により正社員と派遣との不合理な待遇差は改善されています。派遣だから待遇が悪い・給与条件が悪いということはなく、主な理由は業務内容や責任の範囲、スキル面での差といえるでしょう。

ただし、正社員と比べると待遇に物足りなさを感じることもあるかもしれません。給与アップをめざすには知識や経験を積んで、スキルを活かせる領域へチャレンジすることも一つの方法です。

年齢制限はある?

派遣労働者に年齢の制限はありません。この背景には、労働施策総合推進法(旧:雇用対策法)の改正により派遣だけでなく、アルバイトや正社員といったすべての労働者の採用に対して年齢制限を設けることが禁止されたことがあります。

労働者の募集及び採用の際には、原則として年齢を不問としなければなりません。

その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?|厚生労働省

このため気になる派遣の仕事があれば、年齢に関係なく応募が可能です。60代以降は派遣の3年ルールも適用されなくなるため、働く意思があれば長く活躍できます。

アルバイトとの違いは?

派遣とアルバイトの主な違いとして、雇用の形態が挙げられます。アルバイトが「直接雇用」であるのに対して、派遣は雇用先と労働先が異なる「間接雇用」です。そのため、雇用に関する交渉や変更は派遣会社を通じて行うのが一般的です。

・アルバイトの場合
労働日数・時間が正社員の4分の3を超える場合には健康保険・厚生年金の加入必須

派遣でも産休や育休の取得はできる?

派遣であっても育休や産休の取得は可能です。自身の希望に合わせて仕事を選べるため、ワークライフバランスを重視したい方にも働きやすい環境が見つかるでしょう。

ただし、契約期間が事前に決まっている派遣は、産休や育休を取得する際にいくつか条件があります。とくに取得期間が契約更新日と被っている場合は、これらの休暇の対象外となる可能性もあるため確認しておきましょう。

なお、取得の条件は企業や雇用形態に関係なく共通しています。

派遣の特徴を理解し派遣求人に応募しよう

派遣にも有期雇用派遣や無期雇用派遣、紹介予定派遣といった種類があり、業務内容だけでなく働き方に関しても自分に合った環境を選びやすいといえます。複数の職場を経験して、さまざまな知識やスキルを身につけられることも派遣のメリットでしょう。

一方、待遇に関しても正社員と遜色ないほどに改善されてはいるものの、同じ職場での役職上の昇進等が難しいというデメリットがあります。

派遣で働くことを考えているのであれば、ワークライフバランスやスキルアップなど、自分が優先したいことを明確にしたうえで求人情報をチェックしてみましょう。

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この記事を書いた人

ワークスタッフ コラム制作チーム

人材派遣業務を展開しているワークスタッフのコラム制作チームです。人材派遣に関連した情報をコラムを通じてお届けします。平成10年から携わってきた労働者派遣に関する情報を、当社の経験を踏まえて正しくわかりやすくお伝えします。